みみはなブログ

主に紅茶の備忘録

パリでの紅茶生活

 

ご無沙汰しています。

フランスから帰国したばかりなので、鮮明に記憶が残っているうちにパリでの紅茶生活を綴りたいと思います。

 

まずは紅茶店の情報よりも、パリでの実際の日常について書き留めておきます。

紅茶が好きな人に多く共通するのは、嗅覚と味覚が敏感なところだと思います。そこで、パリで最も記憶に残っているのがまちが臭いことです。アパルトマンの外は、“タバコ”と“ドギツイ香水”、“汚物”の臭いと多々遭遇しました。

 

喫煙率が圧倒的に高いフランスでは分煙の概念があまり浸透していなく、歩きたばこはごく当たり前です。サービス業に従事するフランス人が休憩時間に路上喫煙して談笑しているところもよく目撃しました。

また、体臭がきついためか、嗅覚が鈍いためか、香水を大量に振りかけているひとがうじゃうじゃいます。

そして、犬の散歩をする際に糞を処理する習慣があまり根付いていないため、路上に犬の糞が多く転がっていました。なぜか、メトロ構内も汚物と人間の体臭がきつかったです。すぐに激情的になるわ、感情のコントロールができていなく、自分のことしか考えていない人が多すぎ…。

 

その他、話し声が大きな人が多く、ドアを閉める音、生活音が東京よりも大きく感じました。良くも悪くも細かいことは気にしない人が多く見受けられました。

 

そして、15区や16区、観光スポットを除いて、落書きだらけ、世界一のスリの多さ、地べたに座っている物乞いの多さに、きっとフランスに行ったことがない強い憧れを抱いているほど幻滅すると思います。

 

だけれども、パリに限らずにフランスの良いところは、あいさつとお礼の文化がしっかり根付いているところだと思います。パリの人は不愛想と評判が悪いですが、例えばこちら側がお店に入店する際に、笑顔でbonjourの一言さえあれば、向こうの人間も笑顔で対応してくれるものです。さらに「je peux?(お店を見てもいいですか?)」と付け加えれば、嫌な顔をする人はそうそういないと思います。お店を出る際の「merci, au revoir」も必須です。細かなことですが、フランスではちょっとぶつかりそうになるときなど、お互いにまず謝ります。あいさつ、お礼、お詫び、そういう日常のコミュニケーションってとても大切です。

 

日本とは真逆で、客が店員の下手に出ないと高待遇を受けないような気がします。フランス人は謝らない人はおおいし、とても横柄な態度の人が多く、倍額を支払ってでも、着香茶やチョコレートは高くても銀座か丸の内あたりで買った方が快適に感じます。

 

さて、本題に戻ります。

パリでは、マリアージュフレール、ダマンフレール、クスミティー、ベッジュマン&バートン、パレデテ、ジョルジュキャノンなどの主要紅茶商へ行ってきました。

 

日本でもフレーバードティーといえば、かの有名なマリアージュフレール、私のアパルトマンの貸主はコーヒー党でしたが、MFのみ知っていたようなので、やはりパリでもかなり知名度は高いです。

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パリ本店でも男性が接客をしており、日本より仕事が早いです。MF含め、パリの紅茶店はどこも、ざっと茶葉を袋に入れて、手早く品名を書いて、「ほかに何か?」と尋ね、一連の買い物を少々雑ですが、素早く済ませられます。

ここは、アジア系の観光客でにぎわっていましたね。やはり国外でも紅茶=マリアージュフレールという印象が強いのでしょうか。ちなみに社長はタイ系の方です。

店員にゴールドヒマラヤやサファイアヒマラヤはどこの茶園か尋ねると、「ネパール」という情報しか知らないようでした。あまり茶園の詳細やお茶の作られ方などに興味がなさそうに見受けられました。外国人に慣れていて、あっさりとドライな対応といった印象です。でも仕事が早くて正確で素晴らしかったです。サロンドテは日本にもあるので、お茶をせず、次へ向かいました。

 

続いては、ヴァスティーユ近くのダマンフレールへ。

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DFはヴォージュ広場の一角に本店を構えており、店内外ともにシックで落ち着いた雰囲気です。個人的にはとても好きなデザインです。

私の注文の多さ(といっても8種類ほど)にため息をつくアジア系店員の接客には、不快感がありましたが、ここの香料の調香センスが好みでもあります。DFは一つ一つ、淹れ方などのラベルを袋に貼ってもらえるところが親切ですね。そして、MFと異なり、あまり出ない商品でも店員さんが紅茶缶の場所を把握していて、天井の高い棚の中をはしごを使って探してもらえました。

 

日をあらためて、モンマルトルのクスミティーへ。

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ここは観光客への売り出し方が上手です。エッフェル塔をデザインしたパッケージの紅茶を取り扱っていたり、ラファイエットなどの百貨店や大型のモノプリなどのスーパーにも特設コーナーを作ってもらっています。カラフルなパッケージも若者受けするでしょう。

取り扱っている紅茶や緑茶はフレーバードティーがほとんどですが、ここのお茶はおいしかったです。香りもジャスミンやローズ、いちごなどのスタンダードで万人受けするようなものばかり。デザインはかわいいし、おいしいし、お土産にも良いと思います。ただし、ティーバッグよりもリーフの方が断然おいしかったです。

 

続いて、マドレーヌ近くのベッジュマン&バートン。

土曜日でしたが、あまりお客さんが入っていない様子でした。でもここの調香センスも素晴らしく、メロンなどの日本では珍しいフレーバードティーが手に入ります。第一印象はフォントデザインが美しい。カラフルな紅茶缶もきれいでした。また、ダージリンのマカイバリ茶園も取り扱っていました。あえて辛口に一つ、ダージリンの茶園ものなど、高めのお茶を「50gで」と注文したところ、店員が一気にうんざりした表情に激変し、ネガティブな感情を仕事中に顔に出すのには驚くというより、人間的な未成熟さを感じました。ほとんどお互いに終始笑顔だったので良いですが。

 

さぁ、来ました!今回の紅茶店探検の一番の目的がジョルジュキャノンです。

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モンパルナス近くにサロンドテを併設した店舗があります。白をベースに緑を取り入れたデザインが入店しやすいです。DFのデザインもお気に入りですが、GCのような明るいデザインも好きです。

フレーバードティー=マリアージュフレールと思われがちですが、パイオニアはここ、ジョルジュキャノンです。日本からネット購入はできませんが、ここのフレーバードティーはグラースの天然香料を使用しているのに、MFよりも安価でコスパ抜群。1898年創業の家族経営であり、現オーナーのオリビエ氏で4代目と生粋のフランス紅茶商です。またオリビエ氏はフランス紅茶委員会会長。

ここのサロンドテで知り合ったマダムたちは相当な紅茶通でした。彼女たちが口をそろえて「本当においしいお茶を飲めるのはここ!その次はパレデテだわ。ここは天然香料をしようしているし、良質なクラシックティーの買い付けが上手」と語っていました。

 

ここでお茶を1.5kgほど購入しましたが、店員さんに勧められたお茶を断っても嫌な顔一つせず、ゆっくり買い物を楽しめたのも高評価ポイントです。

今回GCに来てよかったと感じるのは、ここのセンスが素晴らしいことはもちろん、空間利用、コスパ、質、デザイン性が星5だったためです。

 

次に、パレデテ。

ここも緑を基調にした店舗デザインが親しみやすさを感じます。店員さんは物腰が柔らかく、お茶の知識や産地の現状についても詳しかったです。

ここで感動したのはカングラだけでも3茶園の品ぞろえがあること。マイナー産地の良質な茶葉を見逃さない鋭さがあります。

また、ダージリンストライキにも関わらず、今年のSFをそこそこの茶園数の茶葉を入荷していました。

日本では50g5000円前後する良質なダージリンでも、パレデテでは、約2500円とここもコスパ抜群。

 

結論:どの紅茶ブランドも創業〇〇年と伝統を大きく売りにしていますが、パリでフレーバードティーが普及し始めたのは、1970年代になってからのこと。歴史は50年弱しかありません。家族経営で紅茶商を営んでいるお店を除き、タイ系や中国系の移民が始めたビジネスでもあるということ。

パリの紅茶好きの人たちから支持されているのは、パッケージを売りにしているお店よりも、良質な茶葉を買い付けており、フレーバーティーには天然香料を使用している紅茶商でした。また、支持されているお店は入店しやすい雰囲気で、次々お客さんが途絶えませんでした。店員さんの接客も素晴らしかったです。