こんにちは、Akari Home Fragranceを運営している香り研究家のみみはなです。
本日は2025年9月に日本に初上陸したベトナムの香水ブランド「ダンナム」(d'Annam)の香水18種のレビューを書いていきます。
- Da Lat (ダラット)
レッドワインやジュニパーがトップで香る上品で都会的なローズ系香水。時間が経つとシプリオールのアーシーな香りも微かに出てくる。
- Harvest Season (ハーベスト シーズン)
グレープフルーツとベチバーがメインの香り。
- In the Garden (イン ザ ガーデン)
ネロリとプチグレンが効いたグリーンフローラルな香り。ベースのココナッツにより南国感も漂う。
- Monsoon Tea (モンスーン ティー)
ライムやプチグレン、ベルガモットがメインのかなり爽快感のあるシトラス系香水。モンスーンの多湿で大雨の時にも爽やかな気持ちになれそう。
- Pho Breakfast (フォー ブレックファースト)
バジルとマンダリンがシャープに香り、パクチーの気配は強くないので着けやすいと感じた。ジョーマローンのライム バジル&マンダリンに似ていて、こちらのほうがキリッとしている。
- Phu Quoc (プーコック)
ピーマンの仄暗さやシトラスノートが効いたマリン系の香り。ウルトラマリンにどこか似ていて男性に人気がありそう。
- Through the Forest (スルー ザ フォレスト)
エレミ、ブラックペッパー、サフラン、インセンスが効いたウードの香り。スモーキーなウードで珍しい。
- Vietnamese Coffee (ベトナミーズ コーヒー)
トップからずっと飲み物のコーヒーの香りが長く続く。コーヒーの香りが良い意味で変化せずにラストまで同じトーンなので、純粋にコーヒーが好きな人にはたまらない最高のコーヒー香水だと感じた。
- White Rice (ホワイト ライス)
細長い東南アジアのお米の香りがトップで綺麗に香る。時間とともにトンカとムスクの香りへと移る。
- Arashiyama (嵐山)
フレッシュで青々しい竹の香りの奥に、微かに雨の香りがある。けれどラストになるとまろやかになる。
- Hinoki Meditation (ヒノキ浴)
クミンが効いたヒノキの香り。ワ○ガの香りが不快に感じない方向け。
- Japanese Whiskey (ジャパニーズ ウィスキー)
ウイスキーそのものの香り。今にも飲めそうなリアルなウイスキーの香りで、嗅いでいるとウイスキーを飲んでいるかのような錯覚を起こしてしまった。
- Kimono (着物)
白粉のようなパウダリーな清楚な香り。
- Matcha Soft Serve (抹茶ソフト)
抹茶のフレーバーを入れているの?と思ったくらい見事な抹茶の香り。飲みたくなる抹茶ミルク系香水。抹茶系香水ではこれが1番リアルに近いと感じた。日本ではお茶系香水の人気が高いのでそう遠くないうちにバズって欠品が続きそう。
- Moonlight Samurai (月光サムライ)
大吟醸様のトップ立ち。じわじわとレザーの香りが出てくる。このブランドの飲み物系はリアルに限りなく忠実で感動した。
- Sakura Snow (桜吹雪)
桜の香りというよりは冬の寒さを彷彿とさせる香り。ミントというノートは記載がないが、どこかミンティーで幻想的なホワイトフローラルの香り。
- Strawberry Mochi (いちご大福)
あずきペーストと米の香りのハーモニーが大福感を出しているがイチゴの香りは僅かであんこ餅系香水。甘さはとても弱いので時間が経つにつれてお米系の香りになってしまう。
- Tokyo Nights (東京ナイト)
スモーキーな梅酒タバコ系香水。他にも梅系のノートを取り入れている香水はあるが、断片的に梅(酒)っぽさがあるものばかりで、この香水は断片的ではなく梅酒が最もリアルに忠実で、今にも飲めそうな梅酒の香りを味わえる。
全体的な印象として、熱帯地域の香水ブランドということもあり柑橘系を多用した香水が多くあり、また調香師の方が日本で感動したものを香水にされたという点から日本モチーフの香りも多いと感じました。
米や抹茶に留まらず、ウイスキーや大吟醸や梅酒など酒類を細分化して香水を作り上げている点からお酒が好きな方とも推察できて、レビューをしているときがとても楽しかったです。ここまで解像度の高い飲料系香水を作られているので、お酒がすごく好きな調香師の方なのかなと想像を巡らしました。
会期中はサロンドパルファン・メンズ館1階で試すことができます。
本日はこの辺りで!!
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