こんにちは、香りマニアのみみはなです。
今回は、渋谷区富ヶ谷にあるチョコレート専門店「テオブロマ」さんとフレグランスショップ「香油香寮」さんのコラボレーションで発売しているグルマンノートの香水レビューを書きます。
- グルマンノートとは?
バニラやキャラメル、砂糖、キャンディ、マカロンなどなど甘いスイーツの香りです。
昨今、バニラやキャラメルのノートとレザーやタバコを掛け合わせた香水もあり、複雑なものも見受けられます。
テオブロマさんの香水は全体的に率直に美味しく嗅げるグルマン系香水と感じました。
では以下がレビューです。
- Chocolat orange (ショコラオランジェ)
トップからラスト全体的にオランジェット(乾燥したオレンジピールがチョコレートで包まれているスイーツ)の香りがよく表現されている。香りに深みもあり、オレンジがラストまで続き、ラストになるにつれて深みを増すチョコレートの香りも面白い。海外の香水市場を見ても、あるようでなかなかない香水。資料としても持っておきたい香り。
ネロリや深煎りコーヒー、アーモンドなどさまざまなノートがあるこちらの香りだけれども、個人的に感じ取れたのは、カカオ、オレンジ、ビターチョコ、ラム、トンカビーン、ムスクです。
- Pomme cannelle (ポムカネル)
トップにりんごとシナモンがクッキリと香る。バターの香りもちらつく。ブランデーや黒糖がボディを補強しているように感じる。ショコラオランジェと比べるとチョコレート感はグッと弱いがこれはこれでアップルシナモンマフィンのようで美味しい。ただ、香りが飛ぶのは早め。こちらのノートの黒糖やバター、ザラメあたりの香りはひょっとしてフレグランスではなく食品香料のフレーバーなのかな?と感じた。フレーバーは食品に添加する用途だけれども昨今の多様な香水にはフレーバーに含まれる香料も多く使用されているのでIFRAの範囲なら問題はないと思う。ただしウィンターグリーンや紅茶のウバを特徴付ける香りであるメチルサリチレートなどは取り扱いが要注意。
- Tisane (ティザンヌ)
ペパーミントとハーバルなトップ立ち。ミントがくっきりしているが、歯磨き粉感は無く、上品な香り。ラベンダーやローズマリー、レモングラスにティーツリー、カモミールといったハーブが集まった香りはとても心地良い。ラストにかけてほんのりとホワイトチョコレートの香りが出てきて、巷のチョコミントのようなキツさはなく、心地良く香ることができる。ただこちらも飛ぶのが早い。あるようでなかなかない香り。扱いが難しいミントやティーツリーが巧みに調合されている。
- Rosemiel(ローズミエル)
月桂樹やオレガノがトップで香る。はちみつが全面に来る時もあればローズが出る時もあれば日によって変わるのがこの香りのおもしろいところ。単なるローズ系香水ではなく、蜂蜜の側面や月桂樹、タイム、オレガノといったフレンチまたはイタリア料理の側面があり面白い。ただ、やはり飛ぶのが早い。
- Madagascar (マダガスカル)
トップからカカオとフローラルが全開に香る。イランイラン、チュベローズやジャスミンなどの妖艶なフローラルが続く。チョコレートフローラル。グルマンタイプが苦手な人にはこちらが最もとっつきやすいと感じる。やはりこちらも飛ぶのが早め。
余談だけれども、最近、香水店の店員さんでやたらと「妖艶」という表現を多く聞く機会が増えました。妖艶とは"あやしいほどに艶かしくて美しい"ことですが、意味合いをやや異なった方向に解釈している売り手に遭遇するのは気のせいかな…。話し言葉なら「艶やか(あで)」と表現するのもありだと思います。
こちらの香水の公式オンラインページ
今回のグルマン香水は食べることだけではなく料理も含めて好きな調香師の方が担当したからこそ素晴らしい香りが完成したのかなと感慨深くなりました。
今回はこのあたりで。
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