こんにちは。
今回は紅茶系香水について書きます。
紅茶マニアだった約10年間にフレーバー、ノンフレーバー問わず1200種類以上を飲んで紅茶&お茶レビューをノートに書き溜めていました。
紅茶系香水でよく使われているベルガモットですが、フレーバーティーのアールグレイの香りとしてよく知られています。ベルガモット=紅茶ではありませんので、一情報として書いておきます。
ただ、紅茶系の香りを創作するとなれば解釈は自由であり、そこに柑橘やらスパイスを入れるのもありなのです。そんな自由に楽しめる香水が私は好きです。
紅茶系香水を紅茶ガチマニアの側面から紹介していきます。
※主観に基づくため、万人には当てはまりません。そちらをご了承の上お読みください。
- Nishane(ニシャネ)のウーロンチャ
日本で買える場所:Nose Shopの東京都内、大阪、名古屋の店舗、オンライン
25,300円/50ml
柑橘が強めのウーロン茶系香水。トップだけでなく柑橘の香りは数時間と長く香ります。こちらは紅茶や緑茶ではなくウーロン茶系の香りが含まれています。
東方美人茶や岩茶などのウーロン茶本来の香りではなく、凝縮されたウーロン茶の香りをベースに柑橘やフレッシュなスパイスが香ります。
- The House of Oud(ザハウスオブウード)のThe Time(現在)
Nose Shopの都内、大阪、名古屋の店舗、オンライン
38,500円/75ml
高価格帯のお茶系香水。こちらはウーロン茶と紅茶系の香り。他の要素が圧倒的に大きく、レモンバーベナ、よもぎ、カモミール、ベルガモットが強く、シンプルなお茶系の香りではなくアロマティックな香水らしさがあります。価格相応の質かというと、ボトル代なのかなぁとも思ってしまう。良いと思うひとが多いこの香りですが、持続性と拡散性という点からは△です。
- Roger&Gallet(ロジェガレ)のオ・パフュメ・テ
札幌から熊本まで全国の都市部において、フルーツギャザリングなどのコスメ系セレクトショップ、オンライン
6,820円/100ml
紅茶系香水でセイロンティー系の香水。トップにレモンがありますが、紅茶の香りがしっかりとする作品です。シンプルでよくできた作品だと思います。
全国のロクシタン店舗、オンライン
7,480円/50ml
一度廃盤になり、根強い人気から再び発売されるとほぼ同時に完売したお茶系香水。
トップに柑橘とカルダモンがあり、ミドルのグリーンティーとベースのマテ茶が心地よいお茶の香りへと纏められています。グリーンティー系香水は巷によくありますが、こちらは、緑茶らしさがありつつ、使いやすく、香水が苦手な人でも受け入れられると個人的に感じています。
- Sabon(サボン)のホワイトティー
全国のサボン店舗、オンライン
3,960円/30ml
6,930円/80ml
香水メディアにも香水マニアにもあまり取り上げられていないサボンのお茶系香水です。ノートを見ると、いちじく、ジャスミン、レモン、カルダモン、ナツメグ、スミレ、シダウッド、タイムといった紅茶以外の香りが多く占めます。
ムエット上でも肌の上でも、スパイシーさやハーバル感はありません。綺麗なグリーンティーに近いホワイトティー系の香りです。
- Jo Malone(ジョーマローン)のアールグレイキューカンバー
全国のジョーマローン店舗、オンライン
21,340円/100ml、30mlもあり
アールグレイ系香水です。紅茶の要素はかすかにほんのりで、ベルガモットときゅうりの香りです。これはこれでありだと思います。
- レルボラリオのFoglie di Tè(ウーロン茶)
東京、千葉、名古屋、神戸などのレルボラリオ店舗、オンライン
8,690円/50ml
ウーロン茶系の香りで、上で紹介したハウスオブウードとニシャネに近い系統です。持続性はそこまで高くないですが優しい価格です。こちらは癖がない綺麗なアロマティックなウーロン茶系香水なのでTPOもさほど選ばず使いやすいです。
- パルファンサトリのひょうげ
オンライン、販売店もあり(公式HPをご覧ください)
15,840円50ml
抹茶系香水。抹茶の深みのあるグリーンとパウダリー感もある香り。海外のグリーンティー系香水とは違った、落ち着いた趣があります。
- P.sevenの暗香
誠品生活日本橋、オンライン
22,000円/66ml
台湾の陳年茶ベースの香水。緑茶とウーロン茶が熟成されたような香りに、梅系の薫香も感じ取れます。スモーキーな梅とプーアル寄りのお茶系な香りかなと思いました。
- P.sevenの玉香
誠品生活日本橋、オンライン
19,800円/66ml
ベースは台湾のウーロン茶「東方美人」。しっかりとレッドブラウンの水色でフローラルな華やかな香りがするお茶です。こちらはその香りを楽しむことができます。トップのシャンパン系の香りから美人茶の香りへ移るときも違和感なく、終始一貫して綺麗です。生葉でなく製茶された茶葉から香料が使われており、短時間で揮発してしまいますが、よくここまで綺麗に香りを閉じ込めたなぁ、と感心しました。
- P.sevenの沁香
誠品生活日本橋、オンライン
19,800円/66ml
P.sevenのお茶系香水で一番香水らしい香りです。凍頂烏龍ベースにジャスミンやゼラニウムも彩られています。繊細なウーロン茶も感じ取ることができます。とても上品な香りです。
他にも紅茶系香水はいくつも嗅ぎましたが、良いと思って共有したいものを今回書き留めました。
紅茶系香水をどれも紅茶の香りと感じられなくて、一番近いものは紅茶のフレーバーという意見もちらほら見かけます。
産地と製法にもよりますが、実際の紅茶が紅茶フレーバーともかけ離れた香りで、多くのものが高温にならないと芳香がなく、熱々の紅茶が10度でも下がると香りも変化します。
日本で常飲されている蒸し製緑茶は、70度前後で抽出されて、香りを楽しむというより旨みのある味を楽しまれるのが一般的です。
お茶に限らず日本は食文化に香りをあまり求めないことから嗅覚が敏感であり、フレグランスや香水文化がこれまであまり発展しなかったのではないかと思いました。
余談が長くなりましたが、以上、紅茶系・お茶系香水の紹介でした。